あれ以来、あのイグラドを見ることはなくなった。
なんだったのかは知らないけど、みんなと一緒に居るようになってから
だいじょぶみたい。
でも、なぜか図書室だけは愛香とも幸可ともいなくていいみたい。。。。。
あの一度、たった一度だけでいなくなってしまった。
でも、それからの不思議はどんな繋がりなのか?
ここ最近のお気に入り、図書室。
愛香たちと居たいけど、すぐ誰かが誘っちゃうからなかなか
一緒に居られない。ちょっと、寂しい。
ひとまずの暇つぶしに図書室に来ることが多くなった。
いつものように目新しそうな本を棚の側によっかかって
読みふける。
よく、「座ったら?」っと声をかけられるがその半分以上が
上の空だった。
ここの図書室は部屋と呼ぶには広すぎるぐらい広い。
なにせ、蔵書30万冊という途方もない数だ。
ここまで来れば、図書室と言うよりは図書館である。
ここにはファンタジーから犯罪記録までを網羅している。
物語系から読み進めている訳だけど。
唯一の難点と言えば、文庫がここにはない。
すべてがハードカバーのため、一冊が分厚い。
ニ・三冊も読むと足が立たなくなるぐらいで
しょっちゅうへたり込んでた。
夕飯時になるとようやく、愛香たちと一緒の時間が取れる。
「最近、別々なこと多いよね。」
ふぃに泉佳はきりだした。
幸可も箸を止めて、ここ数日を振り返る
「そうだねぇ~。いつもはずっと一緒に居たのにね。」
「・・・・・・・班編成が近いのかな。」
頭の片隅においやっていたことを思い出す。
そう、はじめからそれは決まっていた。
卒業が近くなるとその後の
配属先での仮のチームが発表になるのだ。
この時期、うっすらそんな輪郭らしきものが
見え隠れする。
このままなら、私だけ別の班になりそう。
少し、気が重くなりながらも三人で居続けられることを
願い続けた。
その日はなんだか三人で居たくてずーっと部屋で
眠くなるまで話し続けた。
しかしだ・・・・・・・・寝てる間のあれはいったい・・・・・・・・
森の中の湖にたたずんでるお姫様においで
おいでされる言われはないはず。。。。
やっぱり、あの本のせいかな?
なんも、書いてなかったはずなんだけどなぁ。
小首かしげて朝から考え込んでいた。
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