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本館の改装工事のため、再録&連載用です。
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6話「実践訓練」
あの後は、その場にへたり込んでしまっていた。 すっごく、真っ白で空っぽだよ
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5話「広がる波紋」
朝起きると疲れのせいか、朝からぐったりだった。
疲れと寝起きなのとで頭はボーっとしたままだったがそこは慣れたもので 手際よく荷物をまとめながらまだ夢の中の幸可を起こす。 「さち~~~!朝だよ。ご飯が無くなるぞ~~~~!!!」 「っぬ、ふはぁ~~~~。ご飯はダメだむぉん」 寝癖を付けたままでまったりと準備し始める。 トントン 「起きてる?泉佳!さち!」 毎朝、きっちり同じ時間にしっかりものの愛香が迎えに来る。 「起きてるよ~!もうちょっと!」 毎朝のことではあるものの遠いのもしんどいものである。 長々と訓練棟への道でテストに備えて テキストを開いたり分からないところを聞いたりしながら 歩いているのでぶつかったりすることもある。 訓練棟に着いてもどこもかしこもテストの話だけ。 朝食を食べながら今日の予定を組み立てる。 クラス会議で聞いて以来ずっと続けている習慣で おかげで講義にも付いて行けるようになった。 かくして、最後の最後にテストが始まる前の 詰めに勉強してきたところをみんなと確認しあって 最後のテストに突入!! テストでよくある記号選択の問題など一つもなく すべてが書きこみ式の応用問題。 目が回りそうになりながら 必死で書きこんでいく。 数問の引っ掛け問題が解ききれず残った教科がいくつかありつつも これなら、今回のテストもパスできる! 肩の力を少し抜いたところで葵に呼ばれた。 「ちょっといい?話したいことがあるんだ。ここでじゃなくてさ」 ここでは出来ない話というのも気になったがそれ以上に 葵の思い詰めた表情が気になった。 場所は変わって、訓練棟と先輩たちの居る基地棟の境目あたり。 監視カメラはあるものの、人目があまり気にならないので 深刻な話をするときにはみんなココをよく使っている。 「あのさ・・・」 それまで、硬く口を閉ざしていた葵が意を決したように 話し出した。 「愛香が嫌いとかけんかしたからじゃないんだ・・・・・・・その。えっと」 てっきり、愛香のことで相談に来たものだと思っていた。 出会った後、しばらくして愛香が葵に告白した。 OKがもらえた愛香は今までで一番明るくて幸せそうだった。 それがこのところ、お互いに言い出さないものの 何か不満そうにしていたのがクラス中で心配しないものは居ないほど。 「愛香のことじゃないの?」 コクッとうなずくと葵はまっすぐに私を見てこういった。 「泉佳、好きだよ・・・愛してる。」 答える間もなく軽いくちづけ・・・・・・・・・ 「っ!ちょっと!なんで?こんなことするなんて・・・・」 いろんな思いが駆け巡っていた。 葵にわずかでも恋心を抱いてはいたけど、誰かの幸せを 奪ってまで欲しいなんて思わなかった。 うれしい気持ちと背徳感で涙があふれた。 「・・・・・・ごめん。今、自分のしてることがどう言う事かも 傷つけることになるのも分かってる。」 言い訳でしかないよと罵倒したらよかった。 それ以上に確信に変わってしまった自分の思いが 狂おしいほど嫌になった。 泣き崩れる私に葵は 「すぐでなくていいんだ。 どんな結果も受け入れるつもりで居る。 少ししたら、答えを聞かせて・・・・」 それだけ言うと葵はその場を去っていった。
4話「冒険はやっぱりファンタジー」
気になりだすと止まらないのが私の性分。
3話「不思議と本とお姫様」
あれ以来、あのイグラドを見ることはなくなった。
2話「困ったときのおときさん」
ヤットミツケタヨオヒメサマノカタワレ
あれはいったいなんの事だったんだろうか? そんな風に聞こえた気がしたけど。 「泉佳?」 「っん?え?」 ふと声がした方を見ると心配そうな顔をした愛香の顔があった。 ボーっと不思議そうに眺めるだけで言葉が出なかった。 背にしていたドアが開いて下から入ってきた幸可を見上げる格好になった。 「どうした?なんか、あったの?」 「・・・・・・・うん。」 それだけ応えて、ぐったりした美佳を二人はひとまずベッドに寝かせて 明日は休んだ方がいいと休みの手続きをした。 「愛香、泉佳になにがあったの?なんか、ぶつかった音もしたんだけど」 「それが・・・・・・・・・私もよくわかんないの」 困惑気味ながらもひとまずで説明をした。 「そっか、それって先生に相談した方がよくない?」 「でも、信じてくれんのかな?病院とか連れてかれたら嫌だし」 「こういうときはっさ」 一つだけ先生でも病院にも相談できないときの助け舟になれる人がいる。 食堂のおときさんだ。 彼女ほどいろいろ知ってる人はいない。 そうと決まれば、明日は相談しに行く絶好のチャンスだ。 次の日の夕方、晩の食事ラッシュの仕込みのためおいしそうな湯気が立ちこめている。 そこでひときわバリバリ働くおときさんの姿があった。 二人はさっそくおときさんに声をかけた。 「おときさん!ちょっといい?」 タオルで顔を拭きながら 「あいよ!待っとくれ!」 と威勢のいい声がする。 「どうした。そんな顔しちゃって、心配ごとかい?」 「うん。あんまり、大きな声でいえないけど・・・・・・」 誰も聞いていないのを確認してから 近くのテーブルで話をする事にした。 昨日、部屋であったこと泉佳の今の状態を一気に話した。 「そうかい、それはねぇ・・・・」 そこまで聞いたおときさんがふぅっと息をはいた。 「そりゃあ、イグラド。ようするに悪霊の寄り集まったようなやつさ。」 「あいつらは人の因果の流れを根こそぎぶち壊しちまう。 しかし、あの子もとんでもないやつに目をつけられたもんだね。」 イグラド。二人もその名前には聞き覚えがあった。 最近習ったばかりの対人外物戦闘における基本知識。 その中でもSA+に指定されている最悪の敵である。 SA+、SS、SB、Aとランクがある中で訓練生である二人には到底たち打ち出来ない相手だ。 これが必然で起きたことなら、なんて残酷なことだろう。 イグラドに魅入られたものは人生を狂わされるという。 生きていても死んでもなお待つのは地獄だ。 | 次のページ>> | カレンダー
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